●一夜の舞〜イチヤ ノ マイ〜● ひらり フワリ 白く 淡く黄色く 青白く、舞う 光に誘き寄せられるかのように群れ 衝突し合い 負けては、落ち 勝っては光に、もっと近くへと吸い寄せられるかの如く。 どれほど焦がれようと ひとつになることは叶わないというのに。 夜は更け往く。 そろり、そわりと温もりが遠のくように冷めていく。 空が白みがかってくると、周りの空気が シンと澄み渡り始める。 つい今しがたまで、明るさと温もりとを供給していた人工の灯が消えていく。 光に溶けたか。 姿を見なくなった、小さな羽根持つ生き物達。 嗚呼、たった一夜の舞を堪能させてくれた君達は 今はもう、その生命の火も消え去って その姿を見つけたとき 君達は、ただの骸と化していた。 風に煽られ、運ばれながら場を移しつつ・・・地に横たわる。 物の憐れを感じつつ、昨夜の淡く儚い舞を脳裏に投影する。 (2001.08.29) |
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