●黒の女王●
その瞳は聡明な色彩をしていた。
その髪は、誰にも染まる心配のない黒曜石の漆黒。
ある人は闇の色だとも言ったが、それは違う。
思慮深い、やや自己犠牲に偏り気味ではあるが優しい性根。
それは、彼女がいつも正しくありたいと思い続けてきた結果なのかも知れない。
自らが誰かの上に立つ事があるならば、きっと自分が頑張って来た辛い時の事を思い出しながら、同じ事が下の者達に襲い掛からないように、と気を配るだろう。
それもこれも、彼女が優しいだけではないから、いつか誰からともなく称えられることになるだろう。
人からはあまり好かれない色彩を身に纏いながら、その性で自らを襲った出来事に負けずに自分を曲げることなく、本当の自分を見てくれる仲間を手に入れ、きっと彼女はいつでも誰よりも強かで柔軟な思考を披露してくれることだろう。
自らの信じる者へは、本当に素直な自分をさらけ出してくれることだろう。
そして、叶わない思いがあることも分かっていながら、それを違った形で昇華していくことが出来るようになっていくだろう。
黒の女王。
それが、彼女を称える誰かからの称号。
(27.July.2000 By.Akira Yuiga)